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職場モチベーションラボ
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SIOSが推進するDEIの取り組み(後編)

働き方改革が打ち出され、日本でもダイバーシティ(多様性)への取り組みが注目されるようになりました。近年はダイバーシティ&インクルージョン(包容、受容)の推進、さらにはイクイティ(公平性)を加えて、DEI推進を経営戦略の重要課題として掲げる企業が増えています。今回は弊社におけるDEI推進の現状や、DEIの推進と「Willysm」の関係などを、DEI推進サービスラインの担当者が解説します。前編ではDEI推進サービスラインが発足した経緯やDEIを実現するための施策についてお話しましたが、後編では新たに開始したワークショップやDEIの推進に「Willysm」がどのような役割を果たすかなどをお話します

Interviewee:塚元 恵梨奈、野田 勝彦、藤嶋 菜穂子(DEI推進サービスライン)

<アンコンシャス・バイアスのワークショップを開催>

新しく始めた取り組みのひとつに、アンコンシャス・バイアス(Unconscious Bias)のワークショップがあります。 アンコンシャス・バイアスを日本語訳すると「無意識の偏見」ということになるのですが、私たちは無意識に偏見を抱いていたり、思い込みをもっていたりすることがあります。自分が気づいていないだけで、偏ったものの見方や捉え方をしているのです。また、気づかないうちに相手を傷つけたり、負担にさせたりするような言動をとっていることもあります。 こうしたことは日常生活のあらゆる場面で起こり得ることですが、職場でも不快な思いをし続けると、心理的安全性は高まるどころか、安心感を得ることも難しくなってしまいます。まず私たちはバイアスが存在すること自体を認識する必要があるのです。

そこで、私たちはアンコンシャス・バイアスの存在を理解し、自分を知ることで他者への思慮を深めるためのワークショップを開催することにしました。ワークショップの手順は、フリマアプリを運営する株式会社メルカリの社内研修資料を参考にしています。 同社では、アンコンシャス・バイアスを理解するためのノウハウが詰まった研修資料を、無償公開しています。そこには、ワークショップの目標を「無意識バイアスに、自分の判断やコミュニケーションの取り方が影響されていないか、改めて自分の行動や言動のレビューをするきっかけをつくること」と書かれています。つまり、自らの気づきを促すセルフチェックのためのツールだともいえます。何にしてもアンコンシャス・バイアスを知るには、とてもよくできた資料です。

無償公開されている資料には、ファシリテーター用の文章も用意されているので、それに沿って進行すれば1時間のワークショップが完結するようにプログラムされています。あとは私たちがその内容を、よどみなく自然に話せるようになりさえすれば、ワークショップとして成立するわけです。これまで1、2回開催させていただきましたが、これからも地道に展開していきたいと考えています。

<少しずつ活動が浸透し、さまざまな気づきも得た1年>

DEI推進SLが本格始動して1年も経っていませんが、いろんなシーンで「心理的安全性」というキーワードが出てくるようになったのは、私たちの活動がきっかけになっているのだろうと感じています。意外と若手社員のほうがDEIの取り組みに興味を持ってくれ、直接「取り組みについて聞かせてください」と言ってくる人がいたり、私たち以上にDEIに関する知識を持っている人もいて、頼もしくもうれしい気づきでした。

3人それぞれに他の仕事との兼務ですが、気づくとDEIのことを考えていたりします。最近、ある書物によって気づいたことがあります。それは「他者を受け入れるためには、まず自分を受け入る必要がある」という考え方です。自己受容他者受容は密接に関係していて、悪い部分も含めて、ありのままの自分を受け入れることが、他者への寛容や容認を培うとされています。関係性の質を高めるためには、自己受容が重要だとされているので、そのための方法論なども模索していきたいと考えています。

また1on1をより深く知る中で、私たちは「傾聴」「共感」が大事だと改めて感じました。1on1は会話ではなく対話、ダイアローグだと学んだのですが、傾聴や共感は自己受容や自己理解、他者受容と他者への理解につながるといわれています。たとえ少しずつでも傾聴や共感の重要性と理解が広がっていくといいと思っています。また、傾聴力はコミュニケーションに必要不可欠なので、今後は傾聴力を高める施策なども強化していけたらなと思っています。

<Willysmは自分や他者を知るための「振り返り」のツール>

Willysmはモチベーションをマネジメントするツールであることはもちろんですが、自分自身を理解するために活用できるツールにもなり得るのではないかと思い直しています。日々の気持ちを色で入力し、その日よかったことを書き出すために自分と向き合うのですから。海外では、毎朝晩に自分自身と向き合い、5分間で日記を書く「ファイブ・ミニッツ・ジャーナル」が人気だという記事を読み、色選択だけでなく「Three Good Things(スリーグッドシングス)」を積極的に活用することで、ポジティブな気持ちの持続につながるでは?とも思っています。 透明性(色の状態は関係者同士見られる)があるので、状態の変化に気付くことができ、声を掛け合うきっかけとなります。 反対に声をかけるタイミングを見失うという恐れもあるので、定期的に1on1をされる方は今後も様子を見てみるといいかと思います。メンタルヘルスケアにも役立つツールであると考えます。 1on1に関連して「傾聴」について学んだ際、講師の先生が「自分自信がどう感じているかを正確に言語化できないと、相手が感じていることに深く共感することは難しい」というお話をされていました。その日1日を通して、自分自身が何を感じたのかを言語化する練習としてもWillysmの「Three Good Things(スリーグッドシングス)」は効果的なのではないかと感じています。

ポジティブな書き込みとは逆に、私たちのメンバーの1人はネガティブシングスを書き留めているといいます。セルフチェック用に「なぜネガティブになったのか」を冷静に振り返るためのツールとして活用しているのです。ポジティブなことにしろ、ネガティブなことにしろ、「振り返ること」が課題を発見するきっかけにもなるので、自分自身を知るという点と、他の人の状況を知るという機能を、DEI推進とうまく絡めていけるよう、今後もWillysmチームとは協力してさまざまな施策を実施していきたいなと思っています。

<活気に溢れ、働きがいのある会社であってほしいから>

弊社で毎年行っている従業員の意識調査に、「SIOS Channelを通じて、経営層の想いが分かるようになったか」という質問項目を設けています。2021年の結果は「分かるようになったと思う」と答えた人が前回の調査より2.2ポイント減り、残念ながら去年より下がってしまいました。私たちが思い描いていた結果まで、まだまだたどり着いていないことを実感させられました。

サービスラインやプロジェクトチームといった小さな単位で見れば、それぞれに活気があるのかもしれませんが、会社全体で見ると、結束力や活気に溢れている様子がなかなか見えてこないように感じています。 「心理的安全性」というキーワードがよく出てくるようになったとは言え、500人以上いる社員の中の何人がそれを使っているかというと、浸透している範囲はまだとても狭いのではないでしょうか。

DEIを推進した結果として、会社として企業価値が高まり、事業が確実に成長することを目指しているので、私たちSLのメンバーは、全社員が多様性を発揮してシナジーを生み出し、イノベーションを起こして新しい挑戦や事業が成長することに寄与していきたいと考えています。 この活動を通じて、離職者数がゼロになることを願っていますし、やはり「サイオスで働いていて楽しい」とか「自分のキャリアの中で有意義な時間が過ごせているな」というふうに、1人ひとりの社員が感じられるような会社になってほしいと思っています。取り組みが目に見える成果をあげるまでには、時間がかかるかもしれませんが、それでもできることを1つひとつ着実にやり遂げていくつもりです。

-Willysmスタッフ一同より-

前編の記事でご紹介した通り、DEIを推進している3人のメンバーは他の業務と兼任しながら、様々な取り組みを実施しています。インタビューを通して、今よりも働き甲斐のある会社にしたい!というメンバーの熱い思いを感じました。今後の取り組みについても注目していきたいと思います。

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